サファリの手帖 <NGOMAについて> サファリの手帖Top Pageへ戻る
ここに掲げる<ンゴマについて>と題された一文は ナイロビで日本語教師をするかたわら 「太鼓(スワヒリ語で【ンゴマ】)修行」に励んだ日本人青年の見聞と意見です。 |
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そもそも同文は、ナイロビにある<日本アフリカ文化交流協会>「ナイロビ・スワヒリ語学院」(本文中<ジャシー>とあるのはこの学院を指し、筆者は学院の卒業生。後に、日本語教師としてここに勤務した)の卒業生有志により設立された「RAFIKIの会」ウェッブ上掲示板への書き込み、という形で書き始められた。 その後、掲示板管理チームとの見解の相違から筆者は書き込みを中断し、後日、一部の会員・関係者宛に完結編(?)が筆者からメール配信される、という経緯があった。 掲示板上に書き継いで行こうと始められたものが中断されたので、首尾一貫した記述として完結はしていない。 が、演奏者・探求者としてのその見聞はユニークで深く、また、日本におけるアフリカ理解の歪みに関する考察、憂いも傾聴に値するものとサファリの手帖は考え、筆者の了解を得てここに転載させていただくことにした。 筆者は元来ミュージシャン志向で十代から演奏活動も行っており、音楽的な話題は時に専門用語が多く、加えて、上記の事情からスワヒリ語や東アフリカ一般に付いて一定の予備知識がある人々を想定して書かれたので、その知識のない方々には意味不明の部分も多々あるかと思う。 出来る限りの注釈を書き加え(※…)解釈の役に立つよう心懸けて再構成したが、至らない部分に付いてはご容赦を願いたい。 尚、掲示板掲載中断に至った原因である筆者の言葉使いに不快感を持たれる方もあるかも知れない。が、パーカッションで自己表現する人物が慣れないキーボードを叩いて打ち出す書き言葉である。ご容認いただき、むしろ「ハマっ子」(筆者は神奈川県横浜市出身)の活きの良い語り口とお楽しみいただければと考え、再構成にあたっても原文を尊重して訂正は最小限に押さえた。 |
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基本用語 「ンゴマ」 についての解説 (サファリの手帖) | |
「ンゴマ」はスワヒリ語学習の初期段階で学ぶ、結ぶ動詞によって意味の変わる興味深い名詞である。 誤解を恐れず四捨五入翻訳を列記すると、 例1: ンゴマを叩く = 太鼓を叩く 例2: ンゴマをする(遊ぶ) = 踊る 例3: ンゴマがある = 宴会がある と、一見華やかで晴れの出来事を表現する単語であるらしい――が、改めて日本語に同種の単語を探すと的確な訳語が見当たらない。 祭のような、非日常の晴れの出来事でもない。 しかし、ンゴマはアフリカの人々にとり重要な位置を占める単語であり行為である。 だとすると、ンゴマは一般名詞であると同時に彼らの心や文化の奥深くに関わる事柄を表現している抽象名詞でもあるのではないか。 ンゴマを探ることは多様なアフリカ――書き言葉を持たなかった多くの部族・民族に共通して存在する、代々受け継がれてきた<核>に触れることにもなるのではないか。 演奏者という立場で「ンゴマ」に関わり<ンゴマの場>に入り浸った筆者の体験談は、演奏者ではない多くの我々にとり、聞き逃すことのできない示唆に富んでいる。 |
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ンゴマについて <目次> ↓<RAFIKIの会>掲示板掲載分↓ NGOMAって何だろう? 初めてM氏に出会ったのは、 ギリアマ族についての説明 使われる主な楽器は、 「ゴンダ(Gonda)」にふれた時の話 これで最後です ↓<RAFIKIの会>有志宛 Eメール配布分↓ 1.ンゴマは単なる太鼓ではない 2. ンゴマはたくさんの意味を持ち、 別の話 3.ちょっと悲しい現状 <続編> 1〜5 続編<1> 消えかけていたンゴマが不思議な巡り合わせで蘇った(2002/01/20) 続編<2> ピュアーなンゴマの場<マシンダーノ>について(2002/01/24&25) 続編<3> 酒場のアスカリと盛り上がったマリンディの一夜(2002/02/01) 続編<4> ンゴマ・ヤ・ペポ =精霊たちのンゴマ= (2002/05/27) #僕自身の体験 =コロワ= #ヘ? ムワリム…… 続編<5> ンゴマ・ヤ・ペポ 演奏中の不思議体験 (2002/06/21) <続編> 6〜13 続編<6>センゲェニャ 海岸部他部族のンゴマについて (2002/06/21) 続編<7> タナリバー周辺がホームグラウンドの「ポコモ」という人達がいる。(2002/07/09) 続編<8> ラム島周辺スワヒリの人たちも面白い。(2002/07/09) 続編<9> アフリカの民族楽器は「楽器」なんてものを越えた存在。(2002/07/09 <続編10> カンバのンゴマの名前は「ムカンダ」 (2002/07/12) <続編11> ケニア山周辺 キクユ族とメルー族のンゴマ (2002/07/12) <続編12>このまま一気にルオーのンゴマに行っちゃおう!(2002/07/15) <続編13>ンゴマとの正しい出合い方&キシー族のオボカノ (2002/07/15) <続編14> @ ルイヤ族のンゴマ「スクティ」 (2002/07/22) ○×△! 音が出ない! <続編14> A ルイヤ族のンゴマ「スクティ」 (2002/07/24) スクティで使われる楽器とレッスンのその後 <続編14> B ルイヤ族のンゴマ「スクティ」 (2002/08/01) ボーマス・オブ・ケニア泊まり込み修行の顛末 |