サファリの手帖
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ボディ族  ナイル・サハラ語族 東スーダン語派 スルマ系

エチオピア南西部、オモ川中流域に居住する遊牧系牧畜民。後述の通り、農耕も行う。推定人口約5千人。
右の写真にある通り、この部族はほとんど裸族と言える。幼児・年少者はほぼ全裸で過ごしているし、年長者(成人)も、男性は布1枚をまとっているだけで、それもしばしば肩に一まとめに掛け裸体を晒して歩いている。そういう男性を通りすがりに見かけ、この部族が割礼を行わないことを知った。女性はヤギ皮2枚で上下を包んでいるが、左の胸は露出している。居住地域が北緯6度前後、標高500m内外なので、暑い。防寒と言う意味での衣服は不要な地域である。就寝時でも風のない夜には地面に牛皮を敷き、屋外で眠ることも多いと聞いた。
「ナイル・サハラ語族」という点ではケニア/タンザニアの国境沿いに住むマサイ族、ケニア北部のサンブール族、トゥルカナ族などと同一だが、これらは「東ナイロート語派」と分類されるのでボディとは異なる。が、ボディ族の生活様式を見ると東アフリカで馴染み深いマサイやサンブールと実に多くを共有している。
この部族には男性中心の<放牧集落>と女性中心の<農耕集落>とがあり、その放牧集落での暮らしぶりはマサイなどと驚くほど似通っている。数十世代なのか数百世代なのか分からないけれど、そういう時間を遡ったどこかで彼らは非常に近しい関係にあったのだろう。東アフリカに点在するナイル・サハラ語族の人々が農耕民に追われて大陸を南下しながら拡散して行った有様を想像させられる。

※ボディ族訪問記「古代を生きる人々」もご参照下さい。
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